ゲーム / 独自解説
ガチャを回す前に:提供割合の見方と「コンプガチャ」が禁止される理由
有料ガチャには、景品表示法で禁止される仕組みと、業界ガイドラインで決められた表示があります。提供割合の読み方、レアが出るまでの期待額の計算、確率が変わるキャンペーンの確認点を整理しました。
公開・資料確認: · 制作:TrendScope(AI支援)
公式資料をもとに構成・執筆し、比較表と判断例を加えた解説です。実機測定・試遊結果ではありません。資料に基づく説明には出典を付け、架空の例は本文中に明記しています。
有料ガチャ自体は景品規制の外、「コンプガチャ」は禁止
消費者庁は、有料のガチャで得られるアイテムは取引の対象そのものであり、景品表示法の「景品類」には当たらないと説明しています。一方、ガチャで特定の数種類のアイテムをそろえると別のアイテムがもらえる「コンプガチャ」は、懸賞景品制限告示第5項が禁止する「カード合わせ」に当たる場合があるとしています。出典:消費者庁「オンラインゲームの『コンプガチャ』と景品表示法の景品規制について」(PDF)
同じ資料は、カード合わせが景品の金額にかかわらず全面的に禁止されている理由を、方法自体に欺瞞性が強く、子ども向けの商品に使われることが多く、射幸心をあおる度合いが著しく強いためと説明しています。名前が「コンプガチャ」でなくても、異なる種類のアイテムの組み合わせをそろえさせる仕組みかどうかで判断されます。出典:消費者庁「インターネット上の取引と『カード合わせ』に関するQ&A」
この記事は公開資料をもとにした整理で、特定のゲームの仕組みが違法かどうかを判断するものではありません。
業界ガイドラインが求める3つの表示
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」(2016年4月27日制定)は、賛同した会社に次の表示を求めています。出典:CESA「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」(PDF)
| 表示されること | 回す前に見るポイント |
|---|---|
| 取得できるアイテムの一覧と、重複して出る可能性があればその旨 | 狙うアイテムが本当に含まれているか、すでに持っているものが出るか |
| すべてのアイテムの提供割合(原則) | 狙うアイテム「1種類」の確率。レア全体の合計と混同しない |
| キャンペーンなどで提供割合を変える場合の条件と度合い | 確率アップの対象・期間・何倍になるのか |
同ガイドラインは、全アイテムの提供割合の代わりに、レアアイテムを得るまでの推定金額の上限(1回の課金額の100倍以内、または5万円以内)を守り、超える場合は表示する方法なども選べるとしています。ガイドラインは業界の自主ルールで、最新の内容は各協会の公表資料で確認してください。ゲームごとの表示は、ガチャ画面の「提供割合」「詳細」などのボタンから開けることが多いです。
提供割合から「出るまでの期待額」を計算する
ここからは当サイトによる計算の例です。狙うアイテムの提供割合が0.5%なら、1回で出る確率は200分の1です。平均すると200回に1回出る計算になり、1回300円なら期待額は約6万円です。
| 回す回数(0.5%の場合) | 一度でも出る確率 |
|---|---|
| 10回 | 約4.9% |
| 100回 | 約39% |
| 200回 | 約63% |
| 460回 | 約90% |
計算式は「1 −(1 − 0.005)^回数」です。200回回しても約4割の人は出ないことになります。「平均すれば出る回数」と「必ず出る回数」は違う、という点が予算を決めるときのいちばん大事な見方です。一定回数で確実に交換できる仕組み(いわゆる天井)がある場合は、その回数と交換の条件を、期待額と並べて確かめます。
「確率アップ」と「レア全体の確率」を混同しない
確率アップの表示でよく見落とすのが、上がるのが「レア全体」なのか「特定の1体」なのかという点です。たとえば「最高レア3%」と書かれていても、最高レアが30種類あり、狙う1体が0.7%、残りを29種類で分けている、という作りもあり得ます(当サイトによる架空の例)。
CESAのガイドラインは、キャンペーンなどで提供割合を一時的に変える場合も、変更の条件と度合いを表示するよう求めています。出典:CESAガイドライン(PDF) 期間が終わった後に回すと確率が元に戻るため、終了日時もあわせて見ます。表示内容がおかしいと感じたら、まずゲーム会社の問い合わせ窓口に、画面の写しを付けて連絡します。解決しない場合は消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談できます。
架空の例:限定キャラのために1万円を用意したHさん
次は架空の例です。Hさんは期間限定キャラのために1万円分(1回300円で33回)を回そうと考えていました。提供割合を開くと、限定キャラは0.7%でした。
計算すると、33回で一度でも出る確率は約21%です。Hさんは「出なければ追加で買う」のをやめ、無料で配られるガチャ用アイテムを貯めてから、天井の回数に届く見込みが立ったときだけ回すことにしました。先に予算の上限と止める条件を決めておくと、出なかったときの追加課金を避けやすくなります。子どもの課金制限は、子どものゲーム課金の制限の設定方法で整理しています。