スポーツ / 独自解説
暑さ指数(WBGT)の読み方:部活・試合・観戦を続けるか決める目安
気温だけでは熱中症の危険は分かりません。暑さ指数の仕組み、運動を原則中止にする31以上などの区分、アラートの基準を整理し、練習や観戦の判断に使う手順をまとめました。
公開・資料確認: · 制作:TrendScope(AI支援)
公式資料をもとに構成・執筆し、比較表と判断例を加えた解説です。実機測定・試遊結果ではありません。資料に基づく説明には出典を付け、架空の例は本文中に明記しています。
暑さ指数は、気温より「湿度」を重く見る
暑さ指数(WBGT)は、熱中症予防を目的に1954年にアメリカで提案された指標です。単位は気温と同じ摂氏度ですが、値は気温とは別のものです。人の体と外気の熱のやりとりに着目し、湿度、日射・輻射など周りの熱環境、気温の3つを取り入れています。出典:環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数とは?」
屋外の計算式は、湿球温度×0.7+黒球温度×0.2+乾球温度×0.1です。屋内では、湿球温度×0.7+黒球温度×0.3で求めます。出典:環境省「暑さ指数(WBGT)の詳しい説明」 湿球温度は湿度が高いほど上がるため、7割の重みは湿度の影響を表しています。気温が同じ30℃でも、蒸し暑い日のほうが指数は高くなります。
この記事は公的資料をもとにした判断の整理です。体調の個人差を見極めるものではなく、具合が悪くなった人がいるときは、指数に関係なく運動をやめて対応してください。
運動の区分:31以上は原則中止
日本スポーツ協会の「熱中症予防運動指針」は、暑さ指数を5つの区分に分けています。出典:日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」
| 暑さ指数 | 区分 | 指針の内容(要約) |
|---|---|---|
| 31以上 | 運動は原則中止 | 特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき |
| 28〜31 | 厳重警戒(激しい運動は中止) | 持久走など体温が上がりやすい運動は避け、10〜20分おきに休憩と水分・塩分の補給 |
| 25〜28 | 警戒(積極的に休憩) | 激しい運動では30分おきくらいに休憩 |
| 21〜25 | 注意(積極的に水分補給) | 熱中症による死亡事故が発生する可能性がある |
| 21未満 | ほぼ安全(適宜水分補給) | 市民マラソンなどでは、この条件でも熱中症が発生する |
指針は、気温で判断する場合は湿度に注意し、湿度が高ければ1つ厳しい区分を使うこと、個人差や競技の特性に配慮することも求めています。体力の低い人、暑さに慣れていない人は、同じ指数でも運動を軽くするか中止します。
アラートは「33以上」と「35以上」
環境省と気象庁の熱中症警戒アラートは、府県予報区などのいずれかの地点で、翌日または当日の最高暑さ指数が33以上と予測されたときに、前日の午後5時と当日の午前5時に発表されます。より深刻な熱中症特別警戒アラートは、都道府県内のすべての地点で翌日の最高暑さ指数が35以上と予測されたときに、前日の午後2時に発表されます。出典:環境省「令和8年度 熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始します」
2026年度の運用は4月22日から10月21日まででした。次の年度は4月下旬に始まる予定とされています。出典:環境省「熱中症警戒アラート」
ここで気をつけたいのは、アラートの33は運動指針の31より高い数字だという点です。アラートが出ていない日でも、運動の目安では「原則中止」に当たる場合があります。当サイトとしては、アラートの有無ではなく、その場所の暑さ指数の予測値で練習の予定を決めることを勧めます。
練習・試合の前に確認する手順
次は当サイトで作成した確認の流れです。
- 前日の夕方:練習場所に近い地点の暑さ指数の予測を見て、時間帯ごとの値を確認します。
- 当日の朝:予測を見直し、31以上になる時間帯は練習を入れないか、屋内の軽い内容に変えます。
- 開始前:可能なら現地で暑さ指数を測ります。日なたの人工芝や体育館は、予測地点より高くなることがあります。
- 練習中:28以上なら休憩を10〜20分おきに入れ、水分と塩分をとります。
- 大会の運営:試合時間をずらす、ハーフタイムを延ばすなど、指数が上がる前に変更の基準を決めておきます。
「この数字になったらやめる」を前もって決めておくと、当日に中止を言い出しやすくなります。特に子どもの練習では、指導者と保護者で基準を共有しておくことが大切です。
観戦する側も、動かないから安全とは限らない
観客や応援する人に向けた国の資料は多くありませんが、東京都は2025年にスポーツ観戦時の熱中症対策の動画を公開しています。外出前に暑さ指数を確認し、日傘、帽子、ネッククーラー、水筒などを使うよう呼びかけています。出典:東京都「熱中症対策を呼びかける動画・第三弾を公開」
屋外のスタンドでは、日差しを長時間浴び続けます。当サイトとしては、座席の向きと屋根の有無を事前に確認すること、会場の飲み物の売り場が混む前に水分を持っておくことを勧めます。会場によって持ち込める物の決まりが違うので、水筒や日傘の扱いは主催者の案内で確かめてください。